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いくら止まってほしくても時は流れていくし、地獄のような生活は迎えたくなくてもやってくる。
また、いじめられるのかな。でも、蒼空は?
ていうか、昨日は寝ていたのにお母さんに起こされてない。いつもなら叩き起されるのに。
もしかして__。
リビングにつき準備を始めようとしたところで、お母さんに声をかけられた。
「ねぇ、美雲。美雲って、いじめられてるの?」
やっぱり。昨日私が学校を飛び出した後、お母さんに電話が届いていたらしい。まぁ、バレないわけないか。
私は頷くこともなく、ただお母さんから目を逸らしていた。本当、なんで私は毎回こうすることしか出来ないのかな。
「なんで相談してくれなかったの?学校は行けるの?」
お母さんの何気ない一言に嫌気がさす。別に責めてるわけでもないし、むしろ気を遣ってくれているんだと思う。でも、今はそういう言葉がほしいわけじゃない。そう思ってしまうのは、我儘だろうか。
「...大丈夫だから、放っておいて。あと、朝ご飯いらない」
私はそれだけ言って、家を出た。



