水の中で息をしようともがくように、私はやっと門を出た。 運がいいことに、今日はたまたまお母さんが家にいない。 足を動かすだけで精一杯だったけど、私は一刻でも早く家へ向かおうと足を動かした。 周りなんて見えない。今自分が周りの人にどう見えてるのかなんて知らない。 歩いただけで汗が出るほど暑い天気も、気にならないぐらいだった。