私は今日も、そらを見上げる。


私とお母さんの間に変化はあっても、学校の景色は当たり前に変わらない。

今日は、帰ったらお母さんと会話をするという、前までは考えられなかったことをする。言い出したのは私なのに、なにを喋ればいいのか分からない。

学校だって面白いこともなにもないし、友達なんていない。

お母さんは、なにを話したいんだろうか。今朝の会話が、脳裏に蘇る。

それにしても、お母さんがあんなことを思っていたなんて。いつも私に当たってきていたのは、ストレスからだったのかな。

そんなことを思うと、苛立って反抗していたのも気が引けてきた。


家のことを考えていると、いつもなら長く感じる学校の時間も、短く感じた。


学校はあっという間に終わり、帰る時間になった。

気温はまだまだ高いままだけど、夏とはまた違う夕焼けの空が見えるようになってきた。

お母さんと素直に会話をするなんて、いつ以来だろうか。最後にちゃんと言葉を交わした日の内容を、私は覚えていない。

いつも怒られて感情に任せてばっかりで、私はお母さんのことなんか全然考えていなかった。

帰ったら、ちゃんと謝ろうかな...。