私は今日も、そらを見上げる。




六時間目の終わりのチャイムがなり、帰りのホームルームをする。

先生の長々しい話が終わり、周りの人達は伸びをしていたり、もう既にカバンを片手に持って、帰る気満々な人もいる。

「気を付けて帰れよー」

やっと終わった。学校にいると、時間の感覚が狂う。

挨拶をした瞬間に教室を飛び出していく人もいれば、のびのびと友達と話しながら帰っていく人もいる。

そんな中私は、いつものように一人で黙々と足を運んでいた。

帰りは朝よりも暑くてイライラする。朝でさえ暑くて死にそうだったのに、朝よりも暑いなんて、地獄でしかない。

夏だから虫もいて本当に嫌だ。虫なんて、遠くから見るだけで嫌気がさすのに。

なんなら、虫という単語を聞いただけでも鳥肌が立つ。小学生とか、よくあんなに躊躇いもなく触れるよなぁ。

早く帰りたい。学校から家まで瞬間移動でも出来ればいいのに。

みんながゆっくりと歩きながら友達と喋る中、私は早足で帰っていった。

早く涼しい室内に入りたい。ただそれだけを思いながら帰宅していた。