まだ小さかった頃の私は、なにをしていたのだろうか。子供の頃に戻れるのなら、どんなに嬉しいだろうか。
なんでみんなは人生を楽しめるのかが、私にとっては不思議でしかなかった。
私は普通じゃないのかな。普通だったら、友達がいて、放課後に遊びに行ったり、お泊まりをしたりするだろう。
でも、私にはそんな友達と言える存在の人がいなかった。欲しいけど、欲しくない。そんな矛盾した言葉が、私には一番しっくりときた。
友達ってなに?普通ってなに?私はなんのために生きてるの?生きるってなんなの?
時々、この世の全てに疑問を生んでしまうことがある。
考えれば考えるほどに分からなくなっていって、夢の中へと吸い込まれるような感覚になる。
周りの音も聞こえなくなるほどになった頃、授業終わりのチャイムが鳴り響いて、私はやっと我に返った。
休み時間になり、私は朝に読もうとしていた本を読み始める。ジャンルはミステリー。
私は恋愛小説よりも、ミステリー小説や、推理小説の方が好きだ。
ピュアな恋愛だとか青春だとか、物語の世界だけであって、そんなの実際にあるわけない。まぁ所詮、私が勝手に’’青春’’とかいう言葉から目を背けたくてそうしてるだけなんだけど。
二時間目のチャイムが鳴り、私は本をしまう。
学校でも、授業を受けて、本を読んで、授業を受けて...と、同じことの繰り返し。
馬鹿みたいなこの繰り返しを行って、家まで無駄な体力を消耗していく。
私はずっと浮かない気分のまま、学校という檻のような場所で過ごしていた。



