私は今日も、そらを見上げる。



私は嫌悪感を隠さず顔に出し、仕方なく本を閉じて机の中にしまった。

先生の声に気付き、ザワザワしていた生徒たちも席に着く。

ホームルームも、先生の長ったらしい話も、全部右の耳から入って左の耳へ抜けていく。

私はいつも通り頬杖をつきながら、話を聞いているふりをした。

ホームルームが終わり、学校全体に響き渡るチャイムと共に授業が始まる。

一時間目は数学の単元テスト。

私の学力は人並みぐらいだから、一応テストの点もそれなりに取れている。

周りの人達は、「俺ノー勉だわ」とか「数学捨てるわ」とか、いかにも数学が嫌いです、みたいな発言をしている。

そんな中私は、だれかに話しかけることなく、話しかけられることもなく、ぼーっと爪を弄っていた。

テストが配られるのと同時に、騒がしいみんなの声はだんだんと小さくなっていく。

一番上に、「朝井(あさい)美雲」と乱雑な字で名前を書く。

テストの時間特有の、時計の針の音と問題を解く音だけが響く静けさ。

私はひたすらシャーペンを走らせて答えを埋めていく。
あー、めんどくさい。分からないところは適当に書いておこう。