私は今日も、そらを見上げる。


イルカのショーが始まった。

高く飛び上がるイルカと、盛り上がる会場。

蒼空も私もデジカメやスマホで動画を撮りたかったけど、水に濡れて故障でもしたら嫌だから撮っていない。

イルカが水中に潜り込むときの水飛沫と青い水面は、空のように爽やかだった。

ドルフィントレーナーの人がイルカに指示を出して、イルカが動く。息がピッタリで、まるで魔法でイルカを動かしているように見えた。

ドルフィントレーナーの人がイルカの上に乗って、イルカと共に動く。安定感もあって、水が海のように綺麗だった。

音楽に合わせてなめらかに動き回る。イルカのショーに、無意識に惹き込まれる。

イルカのキュイ、という鳴き声が愛らしくて、ほっこりとする。

パフォーマンスが様々で、つい感心した。

会場はますます騒がしくなっていき、イルカが物凄く飛び跳ねた。

バシャンと水飛沫が大きく膨れ上がり、会場に水がかかった。

当然最前列の私と蒼空はびしょ濡れになった。

「やっぱ濡れたね」

びしょ濡れになったのをお互い見て笑った。めっちゃというほど濡れたわけではないけれど、そこそこ濡れた。

タオルは持ってきているから、服の水気を拭いて、髪も少しだけ拭いた。