私は今日も、そらを見上げる。



とにかく、私は季節の中でも夏が一番嫌いだ。

深いため息を洩らし、少し窓の方を向く。そうすると鬱陶しいほどに眩しい光が射し込んできて、朝と同じように視界を塞がれた。

今日の最高気温は三十度超え。外から聞こえる虫たちの声が騒がしい。

早く終わってくれないかな。こんな夏。去年だって、秋の時期になってもまだ暑かったし。嫌いな季節が一番長いとか、ほんと勘弁してほしい。

今日で何回『暑い』『眩しい』と言ったのだろうか。まだ朝だというのに、もう百回ぐらいは言った気がする。
私は文庫本を広げ、読書をしようとした。だけど、やっぱり日が当たって文字が上手く読めない。

たまたまくじ引きで一番後ろの窓側の席になったのはラッキーだけど、やっぱり色々と欠点があって大変だ。
仕方なくカーテンを閉め、本を読み始めようとしたその直後。

「おはよう、ホームルーム始めるぞー」

担任の低い声と共に、ガラガラとドアが開いた。

私はまたため息をついてしまいそうになった。

ちょうど読もうとしたところなのに。なんだか、今日はいつもに増して運が悪い気がする。