次の日、朝から雨が降り続いていた。 縁側でぼんやり外を眺めていた恭介のところに、美咲がやってきた。 「ねえ、恭介くん。」 「ん?どうしたの?」 「雨の日って、なんか特別な感じがしない?」 美咲が窓の外を見つめながら言った。 「特別って?」 「だって、いつもは見えない景色が見える気がするから。例えば、葉っぱに溜まった雨粒とか、水たまりに映る空とか……。」 恭介は思わず彼女の横顔を見た。