「覚えにくいかな。でも、昔からこの花が好きなんだ。」 「なんで?」 「うーん……なんていうか、小さいけど頑張って咲いてる感じがするから。」 美咲の言葉に恭介は花をじっと見つめた。 確かに目立たないけれど、どこか健気な雰囲気がある。 「美咲ちゃんっぽいね。」 「……え?」 「ほら、なんか儚そうに見えるけど、ちゃんと強いところがあるっていうか。」 恭介がつい口にすると、美咲は目を丸くした。 「私が?……ふふ、変なこと言うね。」 「いや、俺は本気なんだけど。」