美咲は静かに頷いた。そして、少しだけ笑みを浮かべながら言った。 「でも、ここは嫌いじゃない?」 「ここ?」 恭介は空を見上げ、少し考え込んだ。 「ここは……悪くない、かな。」 「どうしてなの?」 「…それは……美咲ちゃんがいるから、かな。」 不意にそう言ってしまい、自分でも驚いた。美咲も驚いたように目を丸くしたが、すぐに微笑んだ。 「……それは、嬉しいな。」 美咲が見せた控えめな笑顔に、恭介は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。