そして、煙草休憩を終えると、簡単にシャワーを浴び、シルクのガウンを羽織ると清掃された隣の部屋へと移る。
すると、いつもの如く諏訪さんが「どうも。」とスーツ姿で部屋に入って来て、鞄をソファーに置くと、そのままソファーに腰を下ろした。
「また来たんですか?お仕事忙しいでしょ?」
「まぁ、そこそこ忙しいですね。」
「それなのに、わざわざ来てくれたんですか?」
「レミさんに会いたくて。」
諏訪さんの言葉にわたしは溜め息をつくと、ソファーに座る諏訪さんの隣に腰を掛けた。
「レミさん、僕と付き合ってくれませんか?」
「またそれですか?どうしたら、諦めてくれます?」
「僕は諦めませんよ?レミさんが"はい"と答えてくれるまで、会いに来続けます。」
目の前にペラペラのシルクガウン一枚を羽織る女が居るというのに、何もしてこようとしない諏訪さん。
こんな変な珍しい男もいるんだなぁ。
「、、、分かりました。じゃあ、諏訪さんとお付き合いします。」
「えっ?本当ですか?」
「でも、条件があります。お付き合いする以上、セックスは許しますが、唇へのキスは禁止です。それから、この仕事は続けさせていただきます。」
わたしがそう言うと、諏訪さんは自分の膝に肘をつき、わたしの顔を覗き込み、クールに微笑むと「では、僕からも条件というか、、、お願いがあるんですが、いいですか?」と言った。
「何?」
「レミさんが出した条件をのんだ上で、レミさんは今後僕の家に住んでもらいます。それから、レミさんが僕に心を開いてくれたら、、、このお店を辞めて、僕だけの女になってください。そしたら、キスも許してくれますよね?」
諏訪さんの言葉にわたしは"それは有り得ない"と思いつつ、「分かった。」と答えたのだった。



