わたしは、完全に壮太郎さんに心を開き、そして封印してきた唇へのキスも許した。
そうなった時には、お店を辞め、ピルを飲むのもやめてほしいと言われていた事はちゃんと覚えているし、約束は守るつもりだ。
次の日、わたしは出勤すると店長を呼んだ。
店長はまた何かあったのかと、慌ててわたしの部屋へとやって来た。
「レミちゃん!どうしたの?!また何かあったかい?!」
わたしはベッドに腰を掛け、咥えた煙草に火を付けると、「わたし、ここ辞めるから。」と言った。
わたしの言葉に「えっ、、、?!」と時が止まったかのように固まり、驚く店長。
「あと1ヵ月で辞めるから。そのことを伝えたかっただけ。」
「えっ?!レミちゃんに辞められたら困るよぉ!何か不満なことでもあったの?!それなら改善するから!」
「そうじゃない。個人的な理由で。わたしが居なくなったって、他の子に頑張ってもらえばいいじゃない。」
「いやぁ、、、でも、来るお客さんのほとんどは、レミちゃん指名の人ばかりだし。考え直してくれない?」
店長は何度も「辞めないで欲しい。」と懇願してきたが、わたしはそれを受け入れなかった。
わたしにとって、もちろん会いに来てくれるお客さんは大事だけれど、それよりも大事なのは壮太郎さんとの約束で、約束を守るのは、これからも壮太郎さんのそばに居たいから。
店長は渋々わたしの退職を受け入れ、肩を落として部屋から出て行った。



