刹那に触れる兎


「壮太郎さん、抱きしめて?」

わたしがそう言うと、壮太郎さんは「はい。」と言い、わたしを抱き寄せ、腕枕をして抱きしめてくれた。

「莉子さん、今日はセックスのあとの一服はしないんですか?」
「もう動け無い。HP0どころか、マイナスかも。」
「マイナスですか。今日もたくさんイキましたもんね。」

そう言いながら、壮太郎さんは静かに笑った。

「多分、過去一イッてる。死んじゃうんじゃないかと思った。」
「莉子さんを快楽に導けて、嬉しいです。」
「わたし、、、もう壮太郎さんとのセックスじゃないと満足出来ない身体になっちゃってると思う。」
「嬉しいこと言ってくれますね。また抱きたくなるじゃないですか。」
「今日はもう無理。」

そう言ってわたしが壮太郎さんの胸に顔を埋めると、壮太郎さんは笑った。

「ねぇ、壮太郎さん。」
「はい、何でしょうか。」
「、、、キスしてほしい。おでこでも頭でもなくて、、、唇に。」

わたしがそう言うと、壮太郎さんは「え、いいんですか?」と驚いていた。

わたしは顔を上げ、壮太郎さんを見つめると「キスして?」と言った。

壮太郎さんは優しく微笑むと、わたしの後頭部に手を添え、ゆっくり顔を寄せると、わたしの唇に唇を重ねてきた。

最初は短いキスを繰り返し、次第に長く深いキスに変わっていく。

とろけてしまいそうな程に激しくも甘いキス。

唇に吸い付き、お互いに舌を絡め合い、わたしたちはお互いの全てを求め合うように初めての口付けを長い時間をかけて確かめ合ったのだった。