わたしは「表情が柔らかくなった、、、。」と呟きながら、いつも通り22時に仕事を終えた。
そして、お店の外へ出ると、左側から一人の男性が歩いて来て、わたしの前に立ちはだかった。
「レミさん、どうゆうことだよ。」
怒りの表情でそう言ったのは、先週ルール違反で出禁にした野田さんだった。
「野田さん。」
「今日店に来てみたら、追い返された。ルール違反で出禁になったって。」
「野田さんがお店のルールを破ったからですよ?」
「レミさんが告げ口しなければバレないだろ!」
「ルールはルールなので。」
わたしがそう言うと、野田さんはわたしの腕を掴み、無理に引っ張って来た。
「店でダメになったなら、ラブホでもいいよな?」
「野田さん、放してください!」
「レミさんが悪いんだぞ?告げ口なんてするから。」
すると、わたしの背後から大きな気配を感じ、それからわたしの後ろから伸びてきたスーツを着た腕は、わたしを掴む野田さんの腕を掴んだ。
「放してください。」
冷静にそう言う声に顔を上げると、わたしの後ろには諏訪さんが立っていた。
「何だお前。」
「僕が誰でも、あなたには関係ありません。レミさんを放してください。」
「あ、お前、店で見たことある顔だな。お前もレミさんの常連客か!」
野田さんはわたしの腕を放すと、わたしを指差し、「この女が悪いんだ!店に告げ口して、俺を出禁にしやがったから!」と怒りを露わにした。
そんな野田さんを見て、諏訪さんは相変わらず冷静な態度で「ルール違反をしたからじゃないんですか?」と言った。



