晩酌が終わると、わたしはベランダに出て煙草をふかした。
"片手で足りるくらいの人数"
その言葉にモヤモヤしている自分が居た。
わたし以外にも、あの諏訪さんとの行為を味わってきた人が居るんだ。
いくら片手で足りるくらいの人数だけだったとしても、居ることには変わりない。
この気持ちは何?
すると、諏訪さんがやって来て、わたしを後ろから抱きしめる。
そして、「早く莉子さんを僕だけの人にしたいです。そして、その唇を奪いたいです。」と囁いた。
「言ったでしょ?わたしは、もう恋をしない。だから、それは無理よ。」
「莉子さん、僕がしつこい男だという事はご存知ですよね?」
「そうだったわね。」
「なので、必ず莉子さんを落としてみせます。」
「しつこい男は嫌われるのよ?」
「では、莉子さんは僕がお嫌いですか?」
諏訪さんにそう訊かれ、わたしの中に"嫌い"という言葉は出てこなかった。
嫌いでもなければ、好き、、、でもない。
「嫌いではない。でも、、、諏訪さんと居るのが、当たり前になりつつある。」
わたしがそう言うと、諏訪さんはわたしを更にギュッと抱きしめ「それは、好きに近付いてる証ですよね?」と言った。
「諏訪さんって、ポジティブね。」
そう言って笑うと、諏訪さんは「莉子さん、これから2回戦目にいきますよ。」と言い、丁度煙草を吸い終えたわたしを抱きかかえ、家に入り寝室へと運んだのだった。



