刹那に触れる兎


それから諏訪さんはスパークリングワインのボトルとワイングラス2つを持ってくると、ワイングラスにスパークリングワインを注ぐ。

目を閉じても分かる。

シュワ〜という炭酸の音とさわやかな白葡萄の香り。

諏訪さんは「莉子さん、準備出来ましたよ。」と言うと、倒れ込むわたしの乱れた髪を優しくかき上げた。

わたしは目を開け、起き上がると、諏訪さんはわたしの隣に腰をかけ、ワイングラスを差し出してくれる。

そして、諏訪さんは「莉子さん、今日もお相手ありがとうございました。」と言い、わたしたちは乾杯をした。

「諏訪さんっていつもクールなのに、セックスの時になると、"ド"だけじゃ足りない程のドSになるわよね。」
「そうですか?ついドSに見える莉子さんがドMになっていると、もっと攻めたくなってしまうんですよね。」
「諏訪さんの大きなムスコさんを見てから、仕事で他のお客を相手してると、ついつい比べちゃうようになったのよ。お客さんたちが普通サイズなんだろうけど、小さく見えちゃう。」

わたしがそう言うと、諏訪さんは静かに笑い、「僕のムスコにご不満はありますか?」と言う。

「不満はない。ただ、最初は驚いたけど。今まで諏訪さんを相手してきた女の人たちは大変だったでしょうね。気失った人とか居たんじゃない?」
「気を失いかけてた人はいましたね。でも、大体は痛いからと途中でやめることがほとんどで、まともに相手をしてくれる人は片手で足りるくらいの人数しか居ません。」

わたしは諏訪さんの言葉に「片手で足りるくらいの人数ね〜。」と言うと、スパークリングワインを口に含み、喉に流し込んだ。