刹那に触れる兎


帰宅すると、諏訪さんはたくさん買って来た紙袋の中からシルクのガウンを取り出し、値札を切ると、「どうぞ。」とわたしに手渡してくれた。

わたしは身に纏っていた邪魔くさい服と下着を全て脱ぎ捨てると、諏訪さんが買って来てくれたシルクのガウンを羽織った。

「わぁ、肌触りいい。」
「お気に召してくれましたか?」

それは、確実にわたしが今まで羽織っていたガウンよりも良い物だということが分かる程の肌触りだった。

諏訪さんは買って来た服やガウン、靴など全てをウォークインクローゼットに片付けてくれると、休むことなくキッチンに立ち、「トマトとモッツァレラチーズがあるんですが、サラダでもいかがですか?」と言う。

わたしはソファーに座りながら、「いいわね。それなら、今日のワインは白かな?」と言った。

「ですね。今用意しますから、少々お待ち下さい。」

そう言って、サラダとワインを用意し始める諏訪さん。

諏訪さんは、何でこんな何もしない座ってるだけの女を選んだんだろう。

何もしない女だと分かれば、呆れて条件付きの付き合いも放棄してくれると思ったのに、その気配は全く見られない。

それとも、身体が目当て?

でも、身体が目当てなら、群がってくる女たちを取っ替え引っ替えに遊べるはず。

やっぱり諏訪さんは変な人だ。