「莉子さん、いつか僕が条件無しの本命になったら、ピルを飲むのをやめていただけますか?」
「えっ?」
「僕は、お付き合いする以上、結婚前提にお付き合いしたいんです。」
「何でそんなに、わたしに執着するの?わたしは穢れた風俗嬢よ?」
「前にも言いましたが、莉子さんは一匹狼の仮面を被っている兎です。仮面で隠してるその瞳の奥には、深い悲しみが見えます。深い悲しみを知っている人は、人の心の痛みも分かる人です。僕は人の心の痛みを理解出来る人を嫁にしたい、そして、そんな莉子さんを幸せにしたいんです。」
諏訪さんは、どうして分かるんだろう。
わたしが深い悲しみを味わってきたこと。
傷付きたくないから、仮面を被っているいること。
わたしは諏訪さんの言葉を聞き、「諏訪さんって、ドラ◯もんなの?未来道具を使って、わたしの過去でも見てきた?」と言い、笑いながら煙草の煙を吐き出した。
「僕が青いタヌキに見えますか?」
「青いタヌキなんて言ったら、ドラ◯もんが怒るわよ?」
「それは失礼しました。」
「わたしは、もう恋をしないの。だから、諏訪さんの本命になることも結婚することもない。」
「莉子さん、人は愛し、愛される為に生まれてきているんですよ?僕は、莉子さんを愛しています。だから、あとは、莉子さんが僕を愛してくれるのを待つだけです。」
わたしは煙草を咥え、深く煙を吸い込み肺に落とすと、ゆっくりと吐き出し「人は愛し、愛される為に生まれてきてる、かぁ、、、。」と呟き、ぼんやりと段々と明かりが減っていく街並みを眺めた。
人を愛するって、どうゆう感情だっけ。
でも、愛したところで裏切られるだけ。
わたしはもう、前のわたしではないんだから。



