刹那に触れる兎


諏訪さんとの長い営みが終わると、わたしはシルクのガウンを羽織り、煙草とライターを持ってベランダに出た。

火照った身体に涼しい風が通り抜けていく。

わたしはベランダから見えるまだ明かりが残っている街並みを眺めながら、煙草をふかした。

すると、諏訪さんはさっきまで着ていたタオル生地のガウンを着直して、ベランダへとやって来た。

そして、わたしを後ろから抱きしめると、「莉子さん、このガウンでは他の人たちに莉子さんの綺麗な裸が見られてしまいます。」と言い、わたしの身体を隠すようにわたしの身体を抱きしめ直した。

「諏訪さんがあんなにドSだったなんて驚いた。」
「そうですか?僕は意外とドMな莉子さんを可愛いと思いましたよ?」
「何度イカされたか覚えてない。」
「僕は最低でも3度はイカせないと気が済まないんです。莉子さんの啼き声も、切なそうな表情も、最高に可愛かったです。」

諏訪さんはそう言うと、わたしの首筋にキスをした。

「中に出しちゃいましたけど、良かったですか?」
「ピルを飲んでるから大丈夫。」
「飲んでるんですか?」
「仕事柄、いつお客に無理にやられてもおかしくないから、念の為飲んでるの。」
「それは残念です。僕は、子どもが欲しいんですけどね。」

諏訪さんの言葉にわたしは「子どもは、ちゃんとした人と作った方がいい。」と言った。

しかし、諏訪さんは「僕は莉子さんとの子どもが欲しいです。」と言う。

でも、わたしは怖かった。
身近で相手を妊娠させて逃げた男を知っているから。

そんなこと言って、子どもが出来たらお金で解決しようとして逃げるんじゃない?
そう思ってしまった。