すると、シャワーを浴び終わった諏訪さんが、タオル生地のガウンを着て寝室へ入って来た。
いつもは眼鏡をかけている諏訪さんだが、お風呂上がりで眼鏡を外した状態で、初めて素顔を見た気分だった。
眼鏡をかけていてもイケメンではあったが、眼鏡を外してもやはり顔立ちが整っている為、イケメンはイケメンのままだった。
「随分、大きなベッドで寝ているのね。」
ベッドの端に腰を掛けた諏訪さんにわたしがそう訊くと、諏訪さんは「最近買い替えたばかりなんです。元々はダブルでしたが、いつかレミさんをここで抱く為にクイーンサイズに買い替えました。」と言い、わたしの隣へとやって来た。
「嘘。他の女を連れ込んで抱いてるんでしょ?」
「嘘じゃありません。僕には、レミさんしか見えてませんから。」
「、、、莉子。」
「えっ?」
「わたしの本当の名前。」
「莉子さん。可愛らしい名前ですね。」
「わたしを抱く時は、本当の名前を呼んで?」
「分かりました。」
そう言うと、諏訪さんはわたしに覆い被さってきた。
「莉子さんを抱ける日がくるなんて、、、時間がかかりました。」
「しつこいくらい通ってくれたもんね?」
「まだ条件付きとはいえ、やっと恋人になっていただけたんですから、後悔させませんよ?」
「あら、自信あるのね。」
諏訪さんは微笑むと、自分のガウンの紐を解き、ガウンを脱ぐと鍛え上げられた肉体を露わにした。
そして、諏訪さんはわたしの耳元で「莉子さん、覚悟してくださいね。」と囁くと、わたしの首筋にキスをし、長い夜の始まりの合図をした。



