人食い寺と新聞部

あの時はまだ明るかったし、部長も一緒だったけど、今日はひとりだからなんだかすごく不気味に見えます。

足元の草が絡みついてきてこけそうになるし、本当は行きたくない。

だけどこんな夜じゃないと周囲に人がいて、寺に侵入したことがバレてしまうんです。

そうなると寺の真相を掴むことができませんから、仕方ないんですよね。


……虫がすごく沢山飛んでます。
あぁ、濡れた草が足に絡みついて本当に気持ち悪い。
足を撫でられているような気分です。

こんな中に入っていったなんて、久保田先輩は勇気のある人だったんですね。
私も、その後を追いかけて入ってみたいと思います。

……え?
今なにか聞こえてきました。

誰もいない本殿の中から人の話声が。
う、嘘。

幽霊の噂は本当だったってこと?
……もう少し近づかないと音声は入らないのかな。

「……○×△……※良かっ……×△」
「わか……※△○……小さい子は食べる部位が少ないですからなぁ」