人食い寺と新聞部

久保田春華先輩はその場で人を助けるだけじゃなくて、しっかり後のことを見守る人でした。
クラスに馴染んできた私を見て安心したんでしょう。

久保田先輩はいつの間にか1年生のクラスに来なくなりました。

学校ですれ違った時に挨拶する程度の関係になって、久保田先輩が受験生になって余計に疎遠になったとき、行方不明事件が起きたんです。

あのとき、私の頭の中には優しくしてくれた久保田春華先輩の姿がありました。
久保田先輩は私を助けてくれた。

今度は私が助ける番だと、そう思ったんです。
……わかってもらえました?

もちろん、この程度のエピソードで久保田先輩に執着するのはおかしいですよね?

私も最初はここまで本気になるとは思っていませんでした。
でも、しらべて行くうちにこのままにしちゃいけないことなんじゃないかと思い始めたんです。

久保田先輩がいなくなったことに関しては、なにか重大な秘密が隠されているんじゃないかって。

だから、もう少しこの件について追いかけたいんです。
もちろん無茶はしませんよ。

自分の身に危険が降りかかるようなことは決して。
……気になること?

それってなんですか?