みんななんとなく私と大我の空気に気づいたのか、前みたいにわざとらしいくらい私と大我を2人にするようなことはしなくなった。


私は逃げるように図書室に篭っている。
まだ一応姐さんと呼ばれはするけど、私が総代の嫁じゃなくなる日もそう遠くない。


「一花」


そこには久しぶりの勇征が立っていた。
口の端に青いアザができている。


「どうしたの?喧嘩?」


「あ〜。イイ男には傷がつきものだから」


「あんまり無茶はダメだよ」


「俺のこと心配してくれてる?」


「そりゃそうだよ!これでも一応、総代の嫁だから」


まぁそれももう時間の問題だけど。


「大我が知ったら怒るよ。アイツかなり嫉妬深いから」


「私のことで嫉妬なんかしないよ。大我は好きな人いるもん」


「え?」


私はこの間会った美羽さんのことを話した。