転校したらヤンキーに愛されまくった件

モヤモヤする時は何か別のことに集中するのが一番!
そう思って、学生らしく図書室で勉強をすることにした。
ここなら大我にも見つからないし。


「やっと見つけた」


と、思ったけど秒で見つかった。


「どうしたの?」


「どうしたのじゃねーよ。まだ終わんねーの?」


「も、もうちょっと!」


「しょーがねーな。早く終わらせろよ」


大我はガバンを置いて私の隣に座った。
そして机に肘をついてこっちを見てるのが分かる。
ダメだ、全然集中できない!


「あんまり見られると緊張するんだけど!」


すると大我は私の髪に手を伸ばしてきて、毛先に指を通した。


「今日髪、下ろしてんだな」


いつもより30分早く起きて、ちょっと毛先を巻いたりした。


「あっ、うん……変かな?」


何聞いてんの私!
私がどんな髪型してたって大我は興味ないに決まってるじゃん!


「いーんじゃねーの?俺はこっちも好き」


少し前の大我なら絶対にこんなこと言わなかった。
簡単に好きとか言わないでよ。
髪型の話って分かってるけど、今すぐ飛び跳ねたくなるくらい、好きな人からの「好き」は特別なんだから。


私は照れ隠しで話題を変えた。