転校したらヤンキーに愛されまくった件

バサっとかけられたのは大我のパーカー。
サイズが大きいから私が着たらお尻まですっぽり隠れてしまった。


私の頭の中はハテナでいっぱい。
なに?なんで?せっかく水着着てるのに……


「もしかして、見苦しいから隠せってこと⁉︎」


我ながら、まぁまぁ似合ってるんじゃないかと思ってたんだけどな……


「……逆だよ」


「逆?」


「……俺以外のやつには見せんな」


何それ。
それじゃあまるで……


「ヤキモチ妬いてるみたいに聞こえるよ」


「……だったら悪いかよ……」


大我は照れ隠しをするように顔を逸らした。


ちょっと私の理解が追いつかない。
ヤキモチなんて冗談半分で言ったつもりだったのに、本当に妬いてるってこと⁉︎


それって、私のこと……
いやいやいや!そんなことあるわけない、よね……?


「ほら、海入るんだろ」


「う、うん!」


彼氏がいるってこんな感じなのかもしれない。
できることなら、この時間がずっと続けばいいのにな——と、繋がれた手を見ながらそんなことを思った。