転校したらヤンキーに愛されまくった件

大我は人混みなんてお構いなしに私の手を引っ張りながら砂浜をどんどん進んでいく。
大我の握力が強すぎて、骨がグリッといってしまいそうだった。


「ねぇ大我!ちょっと痛い!」


「……!悪ぃ……」


大我のこんな思い詰めたような顔は初めて見た。
さっきの丸山って人が原因なのかな。


「大丈夫?顔怖いよ。あ、それはいつもか!」


わざとイジってみたら、


「ああ゛?」


良かった。いつもの大我に戻った。


「せっかく海来たんだから、早く遊ぼ!ね!」


大我の手を引いて海に入ろうとすると、逆に引っ張り返された。


「あー。ちょっと待て」