転校したらヤンキーに愛されまくった件

水着に着替えて大我たちの所に戻っていると、突然名前を呼ばれた。


「佐々木一花チャン?」


声の方を振り向くと、柄の悪い男たちが4、5人。
知っている顔はいなかった。
どうして私の名前を知ってるんだろう……


「あの、どちら様ですか?」


「桜ヶ丘2年の丸山愛琉(まるやまあいる)。川上は?一緒だろ?」


この人大我のこと知ってるんだ。
桜ヶ丘って、この前確か大我が言ってたような……


「私に何か用ですか……?大我なら今日はいません。もしいても言わないですけど」


こんなハッタリ通用するか分かんないけど、こういう時は強気に出た方がいいはず。


「アハハハ!いいねぇ、一花チャン。飾りだけの女かと思ってたけど、度胸あるじゃん。気に入った」


丸山って人の顔がいきなり目の前にきて、頭を掴まれる。
私は反射的に口をキツく閉じて、睨みつけた。


「その顔、結構俺好みだわ」


「離して。大声出しますよ」


「どうしよっかな〜」


私は何もできないと思って油断してる顔だ。
でもこっちは大我の特訓のおかげで、手を振り払うくらいなら朝飯前。
ついでに一発くらいパンチしてやろうと拳を握りしめたら……。