「おーい大我、一花ちゃん久しぶりー!」


「ゲッ、圭哉……」


「圭哉さん!」


大我と廊下を歩いていたら、向こうから圭哉さんがニコニコしながらやってきた。
圭哉さんは大我に総代を譲ってから、学校にいることはほとんどない。


なんでも、バイクを買うためにバイトに明け暮れているらしい。
だから校舎で圭哉さんに会えるのはかなり珍しいことだった。


「ゲッて聞こえたぞ〜ゲッて。どうなんだ?最近は」


「桜ヶ丘の連中がやけに静かで……今探りを入れてる」


「ちゃうちゃうちゃーーう!」


圭哉さんの大きな声に私も大我も飛び上がった。


「そんなんどーでもいい!!お前らの話だよ!もうすぐ夏休みだろ?ちゃんと予定立ててんのか?」


「「予定?」」


私と大我はハモった。