「もういいって!十分だよ!」
相手は立ち上がる気力すら残ってなさそうなのに、川上はまだ殴ろうとするからさすがに止めに入った。
「お前なぁ!俺が来なかったらコイツらに何されてたか分かるか⁉︎これでも足りねぇくらいだよ」
「そうじゃなくて!殴ったら、アンタだって痛いじゃん。ほら傷だらけ。こんなやつらのために傷つく必要ないよ」
川上の拳は赤くなって、ところどころに小さい擦り傷ができている。
その中で、血が滲んだ切り傷が1つあった。
「……こんなん傷のうちに入んねーよ」
「いいからじっとしてて」
私はカバンから絆創膏を取り出して傷口に貼った。
「……お前こそ、どっかケガは?」
「私はなんともないよ。ヒーローが助けに来てくれたおかげで。途中悪役みたいな顔してたけど」
「フハッ。うるせーよ」
この時私は初めて、優しく笑う川上を見れて、ほんの少し距離が縮まった気がした。
相手は立ち上がる気力すら残ってなさそうなのに、川上はまだ殴ろうとするからさすがに止めに入った。
「お前なぁ!俺が来なかったらコイツらに何されてたか分かるか⁉︎これでも足りねぇくらいだよ」
「そうじゃなくて!殴ったら、アンタだって痛いじゃん。ほら傷だらけ。こんなやつらのために傷つく必要ないよ」
川上の拳は赤くなって、ところどころに小さい擦り傷ができている。
その中で、血が滲んだ切り傷が1つあった。
「……こんなん傷のうちに入んねーよ」
「いいからじっとしてて」
私はカバンから絆創膏を取り出して傷口に貼った。
「……お前こそ、どっかケガは?」
「私はなんともないよ。ヒーローが助けに来てくれたおかげで。途中悪役みたいな顔してたけど」
「フハッ。うるせーよ」
この時私は初めて、優しく笑う川上を見れて、ほんの少し距離が縮まった気がした。


