スパダリ救急救命士は、ストーカー被害にあった雑誌記者を溺愛して離さない~必ず君を助けるから。一生守るから俺の隣にいろ~

 すぐには実家に行けない瑠花は、ビデオ通話で結婚したい人ができたことを両親に伝えた。

 もちろん祖母にも。
 祖母は倒れた時に助けてくれた人だと聞くと、私のおかげだねぇと声が弾んでいた。

 すでに会社をクビになっていることは言えなかったけれど、仕事も籍だけ先に入れるのも二人で決めたなら好きにしなさいと笑われた。
 結婚式も自分たちだけで海外でやってきてもいいのよと言うほど理解がありすぎる両親に蓮は驚いていたけれど。
 本籍がまだ実家だったので、戸籍謄本を代わりにもらって送ってあげるわと言ってくれた母の言葉がとてもありがたかった。
 このマンションの住所と蓮の名前宛で送ってもらうことにしたので、同棲していることがバレてしまったのは少し恥ずかしかったけれど。

「優しそうなご両親だった」
「そうかな」
 といいつつ、蓮にそう言われると嬉しい。

「お義母さん、戸籍も送ってくれるって」
「うん、ちょっとビックリ」
「そんな危険な職業のやつはダメだって言われたらどうしようと思っていたけれど」
 よかったとホッとする蓮に瑠花もよかったと微笑み返す。
 二人で笑い、キスをして、手を繋いでのんびりと過ごす。
 幸せだなと瑠花はソファーに座りながら蓮に寄り掛かった。

 翌日、瑠花は正臣と凛に相談しながら、まずは「大久間候補が怪我した高校生を選挙カーに乗せているのを見た」という記事を書いた。
 応急処置したとか、大久間はなにもしていないとか、そんなことは書かずにただ選挙カーに乗せたという事実だけ。
 瑠花のつぶやきは、すぐに知らない人のSNSから発信された。