少し湿った艶々の髪をかき上げながら、うまいうまいと煮物を食べてくれる蓮を見ていると幸せな気分になる。
やっぱり蓮のことが好きなんだなと瑠花は実感した。
「二時間くらい仮眠していいか? 夜中に火事があって」
「おつかれさま。……添い寝する?」
「添い寝じゃすまないかも」
眠たいと言っていたはずなのに元気な蓮に愛されてから一緒に昼寝をする。
お昼ご飯の時間はだいぶ過ぎてしまったので、おやつにホットケーキを食べながらのんびり過ごし、夕飯を食べてまた一緒に眠る。
翌日はまるで新婚のようにいってらっしゃいのキスをして見送り、洗濯物を洗ってベランダに干した。
求人サイトを見て、お昼を食べて、なにげなくテレビをつけるとお昼のワイドショーが映し出される。
「この人が大久間さん……」
テレビに映る選挙候補者たち。その中に凛から聞いた大久間の姿があった。
『自転車で転んだ高校生の足を応急処置してあげて、選挙カーで家まで送って行ってあげたそうですよ』
『すばらしい方ですね、大久間さん。さすがですね』
コメンテーターは大絶賛しているけれど、蓮の両親との事故の時は救急車に先に乗ったんだよね……?
テレビ画面は街頭演説している大久間の映像。
紫色のTシャツを着たスタッフが、大久間の名前が書かれた紫ののぼり旗を持ちながら場を盛り上げているように見えた。
「……退屈……」
瑠花はなんとなく見る気になれず、テレビを消した。
明日の朝まで蓮は帰ってこない。
毎日当たり前のように会社に行っていたから、急に趣味なんて見つけられない。
変な人に探されているから気軽に外出もできない。
瑠花はベランダで乾いた洗濯物を取り込みながら溜息をついた。
「あ、凛さんだ」
ポケットの中で震えたスマホを見るとメッセージ受信の通知が出ている。
『気をつけて! (助太刀いたすのスタンプ)』
『会社の前にいた人たちの雇い主は暴漢犯』
「えっ?」
凛の独特なセンスのスタンプが目に入らないくらい衝撃的なメッセージに瑠花は息が止まりそうになった。
やっぱり蓮のことが好きなんだなと瑠花は実感した。
「二時間くらい仮眠していいか? 夜中に火事があって」
「おつかれさま。……添い寝する?」
「添い寝じゃすまないかも」
眠たいと言っていたはずなのに元気な蓮に愛されてから一緒に昼寝をする。
お昼ご飯の時間はだいぶ過ぎてしまったので、おやつにホットケーキを食べながらのんびり過ごし、夕飯を食べてまた一緒に眠る。
翌日はまるで新婚のようにいってらっしゃいのキスをして見送り、洗濯物を洗ってベランダに干した。
求人サイトを見て、お昼を食べて、なにげなくテレビをつけるとお昼のワイドショーが映し出される。
「この人が大久間さん……」
テレビに映る選挙候補者たち。その中に凛から聞いた大久間の姿があった。
『自転車で転んだ高校生の足を応急処置してあげて、選挙カーで家まで送って行ってあげたそうですよ』
『すばらしい方ですね、大久間さん。さすがですね』
コメンテーターは大絶賛しているけれど、蓮の両親との事故の時は救急車に先に乗ったんだよね……?
テレビ画面は街頭演説している大久間の映像。
紫色のTシャツを着たスタッフが、大久間の名前が書かれた紫ののぼり旗を持ちながら場を盛り上げているように見えた。
「……退屈……」
瑠花はなんとなく見る気になれず、テレビを消した。
明日の朝まで蓮は帰ってこない。
毎日当たり前のように会社に行っていたから、急に趣味なんて見つけられない。
変な人に探されているから気軽に外出もできない。
瑠花はベランダで乾いた洗濯物を取り込みながら溜息をついた。
「あ、凛さんだ」
ポケットの中で震えたスマホを見るとメッセージ受信の通知が出ている。
『気をつけて! (助太刀いたすのスタンプ)』
『会社の前にいた人たちの雇い主は暴漢犯』
「えっ?」
凛の独特なセンスのスタンプが目に入らないくらい衝撃的なメッセージに瑠花は息が止まりそうになった。



