日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「大太くーん!」


するとこの学校の人ではないおじさんが目黒に声をかける。



「大井さんと城野さんだー!体育祭見に来てくれたんですねー!」


目黒はナイフを持っていない方の手をぶんぶんと振る。


「そうだよ、ちょっとお仕事でね。大太くんもお父さんみたいに体育祭頑張ってね」


「はーい!頑張るよ!」


「大井と城野って……あのツラここの警察署長と市長じゃねぇか!おーい、署長さーん!こいつ俺にナイフ向けてきやがるんだよ!」


琥珀がおじさんの正体に気付くと慌てて目黒の所業を訴える。


「大太くん、本当かい?」


「新しいナイフを買ったから見せてただけだよ」


「そうかそうか、外に出しすぎると職質されるからほどほどにね」


「はーい!」


二人は親しげにやり取りし、にこやかに受け流した署長に、目黒は元気に返事をする。


その様子を琥珀は信じられないものを見る目で見た。