日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

体育祭当日、うっすらと広がる雲が太陽を覆うけど、降水確率は低く、今日の開催が確定する。


朝、体操服に着替えた私は運動場に向かっていた。
運動場にいる人はまだ少なく、楽に移動できそうだ。


運動場にはクラスごとにテントが張ってあり、荷物はそこに置く。


私は自販機のある渡り廊下を横断して運動場に向かっていた。


屋根の影が落ちて薄暗い渡り廊下。そこに見かけない男子が立っていた。
肩より長く伸ばした真っ白な髪。女子のように軽い髪質で、他の男子が髪を伸ばしてもあれほどさらさらにはならないだろう。


髪の下にあるのは血の気を感じないほど真っ白な肌で、彼の肌には冬の日のようにくすんだ影が落ちている。


こちらを見る真っ黒で大きく開かれた目は、丸くくり抜いた黒曜石のようだ。


そういえば、体育祭当日は練習にも来ないような人が来ると真木さんから聞いていた。