日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

あの後先生に話を聞かれて昼休みがかなり潰れた。
事情を聞き終えた先生は、走る順番を変えようかと言ってくれたけど、軽木ももう反省しているだろうからそこまで気にならなかった。


しかし先生が「軽木は代役で入っていたんだが……実は本番、円田が障害物リレーに出ないらしく……赤組の先生には軽木以外の代役を立てるように頼んでいるんだが、もしものことを考えて……」と心配そうに説明する。


妨害行為があれば私以外の人にも迷惑がかかる。バトンパスも第二レースのメンバーで慣れているから、苦渋の選択だけど第一レースに変更してもらうことにした。


昼休みが終わり、午後のダンス練習。

なんだかんだいって取り忘れていた髪のポンポンを「かわいい〜本番もつけたらいいじゃん」と大平さんに言われる。


自分には合わないから「恥ずかしいですよ〜」と言ったら、「全然いいじゃん。てか三人で白のアクセつけない?」と大平さんが盛り上がり、母が明日もつけてくる気満々だったなと焦った。


それから休憩時間、お茶を買いに自販機へ行く。
自販機前の渡り廊下を歩いてると、向かい側から隆火さんが歩いてくる。


「あ……」


隆火さんのおかげもあって事態が収束した。何か言おう……なんて言えばいい?


急に何を言えばいいかわからなくなって、言葉を失い立ち止まる。

そうしている内に隆火さんは目の前まで来ていた。