日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

練習が終わった後、軽木が


「白組は一人いないものとして見ていいな。実質五人での競走だろ」


と得意げに言ってくる。


軽木の執拗な妨害は私たち二人の問題でなく白組全体に影響が出た。だから白組の障害物リレーの走者を中心に「卑怯だぞ!」「二人三脚の時思いっきりぶつかってたよな!?」と声が上がる。


白組の障害物リレーの走者から話が伝わっていき、白組の一年生全体があたりに殺到した。


「それがどうした?そもそも卑怯なのはお前たちだろ」


軽木が反省の色もなく開き直ると、軽木の友達を中心に「あんなブスが姫になってるとか白組の一年はかわいそうだな」「最初の練習で勝ったのが自分たちの実力だと思うなよ」と煽ってくる。


「舐めとんなぁテメェら」


「文句あんなら卑怯な真似ばっかしてねぇで拳で来いや」


「みんな来い!今から白組でこいつら締め上げっぞ!」


集まった白組が湧き上がり、今にも喧嘩になりそうな動きを見せる。一年生集団の中には茶橋さんと髙木さんもいた。
しかし軽木はその様子を面白がっていた。