日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

そして障害物リレーを目前にして並ぶ。


鉄骨渡りは平均台を後ろ向きに渡るんだけど、それほど高さもないから大丈夫そうだ。
これから走るコースを見ながら確認していた。


障害物リレーの練習が始まり、第一レースの参加者を見る。そこに……


「藤原 静凪、だよな」


横から赤組の男子が声をかけてきた。私の名前を知っているらしい。


「はい」


「やっぱり、隆火さんのとこに入ったっていう!俺この体育祭で隆火さんのこと知って尊敬したんだよ!俺円田 璃王(えんだ りおう)!体育祭が終わったら隆火さんのとこに入りたいんで!よろしく!」


心底嬉しそうな声と満面の笑みで距離を詰めてきて圧倒される。


「俺が赤組でも遠慮すんな!諦めずに走れよ!それが隆火さんの望みだからな!」


彼は最後まで元気に笑って手を振った。


「赤組のリレーのトップバッターじゃん」


第二レースのアンカーが覗き込みながら言った。