日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「はっ、親の言いなりかよ。そもそも受験に車で送り迎えってのが甘やかされてんなあ」


男子の態度は変わらない。
大園みたいに怯えたら満足するでもなく、相手にすると時間を取られるタイプだ。


「ごめんなさい、これ以上話すと遅刻するので……」


始業時間までそれほど時間がないのをいいことにその場を離れようとした。
しかし


「逃げんのかよ。金持ちだから庶民と話す時間が無駄ってか」


私に悪態をつき詰め寄ってくる。


喫茶店に行ったのが気に食わないなら。


「みなさんが真面目に頑張っていらっしゃる中、喫茶店に寄り道したことは申し訳ないと思っています。このことが気に入らなければ先生に報告してもらっても構いません。問題があれば私は何らかの処分が下ると思います」


彼に面と向かって丁寧に対応し、頭を下げてから立ち去る。


「スカした態度だな。いけすかねぇ金持ちが……」


振り帰ると、彼は後ろからじっと睨み続けていた。


彼は今になってなぜ私に絡んできたのか。そもそもなぜ私のことを金持ちだと言うんだ。私は至って普通の家庭だ。


これで終わればいいんだけど……
こんな時期にトラブルなんて勘弁だから、ちょっと機嫌が悪かっただけだろうと思うことにした。