日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「お疲れ様。静凪さんもリレー見てるの?」


「はい。私、足遅いんですよね。だから早い人ってすごいな〜て」


さっきまでタイムの計測係をやっていた真木さんが歩いてきて、私は素直に思ったことを口に出した。


「何に出るの?」


「私は大縄跳びと綱引きと障害物リレーです」


「あ、障害物リレーで走るんだね」


「足の速さはどうしようもないので、障害物の内容と他の人の足頼りです」


私がぼんやりと言うと、真木さんが障害物リレーの人を集めて走ってみようかという。


え、いいですよ足の速さはすぐには改善しないんで、他のところを……と言うと、足の速い人はタイムを伸ばすのが大変だけど、走るのが苦手な人はちょっと改善するだけで激変すると説得してくる。


そして障害物リレーの練習をしないかと呼びかけて、休憩していた選抜リレーのメンバーが指導してくれることになった。


まずは50メートルを走ることに。
横の人はビュンビュン前進するのに、私は速くしようとしても体が重くて進んでいかない。
結果は11秒と春に測った時より遅かった。