日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

私は何をされるのかと怯えながら腰を下ろす。できるだけ頭を低く。もう手遅れでも失礼のないようにしないと……。


「お前には酷い目に合わせてしまった。すまない」

「いえ、そんな。私にも原因がありますから……」


まさか隆火さんが詫びを入れるとは……私が調子に乗ってるから隆火さん直々に処罰するとかじゃなくてよかった。しかし気を休めてはいけない、あくまでも下っ端らしい発言を貫いて……


「しかし不良でもないのにここに呼び出された女なんて、お前が初めてだよ。しかも二回も」

「ははは」

やっぱり私はこの学校の中でも特に非常識な人間らしい。


「それであいつに役不足と言ってやるとは、言い得て妙だ。俺的にはもっといってやってよかったんだがな」


まさか、この人意味を知っている……
隆火さんは面白いものを見たとばかりに笑い、不遜に顔を上げた。


「男ばかりのここに来る度胸、おまけにその慇懃無礼、気に入った。

お前を俺の傘下に入れる。お前はこれから俺が番長になるのを手伝うんだ」


隆火さんは得意げに笑って私を指差した。

ひ、ひえ〜!


ヤンキーの怒りを買って、ほんのちょっと気付かれないよう言葉の針を仕込んだら、最強クラスのヤンキーに目をつけられた。