日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

背が低いだけでどうしてこんな目に、と思いながら高く跳ぶ。最初に引っかかるのは私だろう。いつ失敗するかという緊張感の中跳び続けていると、私のすぐそばで縄が勢いを失う。


やらかした!そう思ったら、ごめんという声が聞こえた。
後ろを見ると違う人が引っかかっていたようだ。


私以外の人も引っかかるんだ……そう思って再開する。


そして別の人が引っかかり……


「高橋が押すから引っかかった」


「俺のせいってか?ふざけとんなぁ」


さらには……


「てめぇらさっきぶつかっただろ!」


「は?記憶にないんやけど」


「俺がどうぶつかったって?えぇ?」


「ざけんな!一回外出ろ、ぶん殴ったる!」


「お前たち、喧嘩するよりもう一回挑戦しろ。時間は有限だぞ」


先生の仲裁で渋々戻っていった。
ヤンキー、協調性なくて思ったより跳べないな。


時間が進むほど体力が尽きて私が引っかかることが多かったけど、それで責められることはなかった。
練習を重ねるうちに成長して私が追い越される可能性もあるけど、思ったよりも大丈夫かもしれない。