日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

私が出るのは綱引き、大縄跳び、障害物リレーだ。
リレーや徒競走は花形種目だから私には関係なし。玉入れがしたかったんだけど、サボりたいヤンキーに人気だったのと、男子の中に混じっては背が低いという理由で先生に移動を勧められた。


憂鬱なのは大縄跳びだ。これにいい思い出がない。こんな体動かしてなんぼのヤンキー高校だ、大縄跳びで引っかかって非難されるのが目に見える。


自分のクラスのところに行くと、大縄跳びの持ち手をやりたい人はいないかと先生が言う。誰もあげないから女子である私がやったらという話になり、生まれて初めて持ち手になった。


ずっと回し続けるなんて責任重大だ。だけど跳ぶよりはマシかもしれない。


相手は話したことのない人で、息を合わせられるかどうか。
練習で回してみるも、思ったよりも大きく回さなければいけないのと、相方との息が合わないのもあって、未経験では上手く回せない。


結局女子の腕力では回し続けるのも難しいのではという話になり、跳ぶ方に回った。


跳ぶ時の並びは、中央は背の高い人が行き、私は背が低いからと端の方で跳ぶことになった。端の方は高く跳ばないといけなくてハードなところだ。これは厳しい戦いになるぞ、と覚悟した。