日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「今から全体練習なんだけど、何してたの?」


「ダンスを教えていた」


「え、隆火が?ちゃんと教えられたの?」


「はい、真剣に教えていただいて……隆火さんも一時間で結構踊れるようになっていたので……」


前に歩み出た隆火さんは得意げにしていた。もっと何か言うかと思ったら無言で訴えかけている。


「私なんて二日かけて全然なのに……」


「でもダンスの経験ほとんどないでしょ。普段から動画撮ってる女子や自分の身一つで戦うヤンキーとは経験値が違うからね。動いてなんぼだから、ヤンキーは」


そうか、ダンスと喧嘩でジャンルは違えど、ヤンキーは普段から体を動かしているんだ。
そういえば体力テストでも高い得点を出す人が少なくなかった。私は中学の時と変わらず低得点をうろついていたけど。


真木さんの言葉に少し気が抜けた。


それから何かを言うでもなく私たちは武道場に戻る。


グループ別練習中で、大平先輩や早乙女先輩が「おかえり!」と迎えてくれる。


「大丈夫?久辺に何もされてない?」


早乙女先輩は私に顔を寄せて激しく心配していた。「大丈夫です、あの人なりの方法でダンスを教わっていただけなので」と言うと、「それは何より……で済ませたいけど、あいつは乱暴だから気を抜いちゃダメ」とまだ疑いは晴れていなかった。