日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

あんな風に抜け出してスマホだけ取りに戻るのは気が進まない。だけど曲名は覚えていない。


「あの、白組の方と連絡先交換してないですか?隆火さんのスマホに練習動画を送ってもらうというのは……?」


「確かにそれが早い」


こうして隆火さんが練習動画を入手し、二人で踊ることになった。


横にいる人がいつもと違っていて、しかも横で踊る隆火さんのダンスが目に入って気が散る。

落ち着かなくて、ただでさえ踊れないのにさらに失敗が増える。


踊り終えると、ちょっと気が散っただけでも悪化する自分のダンスに嫌気がさす。いつの間にか隆火さんは踊れるようになっているし、自分の足りなさを目の当たりにした。


「……私、駄目だ。何気に隆火さんが結構踊れるようになってるし……ダンス、得意なんですか?」


「いや、そうでもない。特にこんなチャラチャラしたものは踊らん。大平にもカクカクしてると言われたしな……」


隆火さんは謙遜している素振りもなく真顔で言う。


「私がそれくらい踊れるようになるまで一日かかったんですよ。隆火さんは一時間もせずそのレベルに至った」


私は情けなく笑いながら膝に手をついた。