日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「ありがとうございます。もうそろそろ戻ろうかと思います」


「もういいの?」


「はい、ただでさえ覚えるのが遅いのだから無駄な時期を送るわけにはいかないんです」


「そうかな?人ってね、何回やっても出来ないことがあったら、一回休むと出来るようになったりするんだよ。僕は無駄な休みなんてないと思う」


相変わらずの調子で真木さんが言う。


「真木さん、藤原さん」


そこに早乙女先輩がやってきて、真木さんがタオルを目から離す。


「あ、もう運動場での練習!?呼びに来てもらって、すみません」


私が腰を上げようと前に屈むと、「呼びに来たわけじゃないの。私は早めに移動してて、ちょうど二人がいたから……」と言う。


真木さんが私の方に振り向き、


「運動場の練習、行ける?」


「はい。ごめんなさい、ご迷惑をおかけしてしまって」


私が真木さんと早乙女先輩に言うと


「謝らなくていいよ。ねえ」


「うん、だって迷惑とかじゃないから。私は難しいダンスでも踊れるようにした、なら他の人も出来るようにしてみせるって決めたから。教えるのが難しくたって色々と伝え方を変えて出来るようにするまでよ」


真木さんに顔を向けられた早乙女さんは、胸元の拳を固くして決意していた。