日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

昼休みに入ると、弁当をさっさと食べ終えて早めに練習場所に行く。


「静凪さん、早いね」


先にいた真木さんが離れたところから私を見つけた。


「はい、私ただでさえ全然出来てないのに遅刻するわけにはいきませんから」


「そっか、えらいね。今からここにいる人たちで練習するんだけど、静凪さんもどう?」


「はい、是非!」


こうして昼休みが終わるまで練習に参加することになった。
この練習に参加しているのは上手い人ばかりで、練習というより私が教わってばかりだった。


一曲踊り終えた後の休憩中、真木さんが水筒片手に「静凪さんは書道で評判だったのにパネルの方じゃなかったんだ」と切り出した。


「はい。応援団は数が必要だからって、出席の多い私が入れられたんです。最初はパネルの方の出席が怪しいから兼任しないかと言われていたんですが、私のこんな有様じゃ兼任出来るわけがありませんし……でも他のところは意外と出席もいいみたいで私がいなくても問題なさそうです」


「あ〜そういうことか。応援団は数が必要だし、女子がいると露骨に士気が上がるんだよね。それに応援団なら行かないけどパネルとかなら出席してもいいってやつがいるから、先生の都合で振り分けられたんだね」


真木さんは何かを察し、哀れみの目で私を見た。
そういえば大園たちが今日も、サボれるから楽、当日何もしなくていい、とか言っていた。