日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

そして家でも動画を見ながら練習した。小さな画面では見えづらいところもあるけど、わかる範囲で真似をする。


合っているのか合っていないのかわからないけど、何かが違う、という違和感を覚えながら踊る。
自主練の結果、目に見えて出来るようになったという実感はなかった。


次の日、みんなに追いつけますようにと思いながら登校する。
今日は体育館での練習で、直射日光に当たらない場所を広々と使える。


早速練習が始まると……


「いつもここが違うんだよね……」


大平先輩が首を傾げる。


練習の甲斐なく、同じところが上手くいかない。
一時間目終わりのチャイムが鳴るまで練習したら昨日よりは出来るようになったけど、踊れているとは言えないレベルだ。


そしてグループ別練習をやめ、一度全体でのダンスの練習になる。


曲のスピードは通常通りで、みんなは難なくついていくように見える。私はついていけずに振りが抜けてボロボロだった。


それでも団長の目にはまだ足りないところがあるようで、もう一回その部分をやり直す。


全体で練習したことによって、自分の力の足りなさを目にした。