日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

三人での練習が始まり、初日だから共通パートの練習をメインにするけど、と前置きして、二人は一度女子パートのダンスを見せてくれた。


そして女子パートの最初のところを正面に立つ先輩の手本を見ながら踊ることになった。
女子パートは共通パートよりも細かい動きが多くて難しい。共通パートすら踊れない私が出来るはずなかった。


やっぱり難しいよねという話になり、共通パートの練習に戻った。


「よし、もう一回速度落としてやってみようか!」


大平先輩は曲の速度を落としたり苦手なところを重点的に繰り返したりと工夫して教えてくれる。


「右足は前に出して、すぐ引くの」


そして早乙女先輩の教え方は丁寧で、だけど私は一向に出来るようにならない。


先輩たちは表には出さないけど疲労しているのを私は感じ取っていた。


「ごめんなさい。全然出来るようにならなくて」


「いいよいいよ、私も最初は全然出来なかったし。まだ初日だよ!」


「謝る必要はない」


大平先輩と早乙女先輩はそう言ってくれるけど、私は申し訳なかった。
先輩たちにここまでしてもらったんだ、何としても踊れるようにならなければ。