日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

「白組グループ集結だね」


目の前に腰を下ろした真木さんが言うと、茶橋さんと高木さんが脱力した。


「真木さん〜応援団めちゃくちゃ踊らされそうなんですけど」


茶橋さんが泣きつくと、真木さんは笑って


「応援団は毎年応援合戦でダンスを踊って優秀な方が表彰されるんだよ」


と教えてくれる。


「競技の方では、毎年赤組が強くて、白組は負けるようになっている。拮抗して白熱したら抗争にもなりかねないから、クラス分けのときに、赤組に強いヤンキーを、そうでない人は白組に入れているみたいだ。だから白組は応援合戦が勝負ってことで気合いが入ってる。競技はほどほどに、ダンスに力入れれば大丈夫だよ」


真木さんは信じがたい話をしたけど、至って普通の笑顔で、なんてことないように話していた。
本当の話なら、隆火さんが赤組に入ったのは安心だけど……


「それってガチの話すか!?」


「うん、体育祭の結果を調べてみるといいよ。ある時期から見事に赤組ばかりだから」


茶橋さんが食いついて、真木さんは嘘だと言うでもなく肯定する。


競技とダンスの両方に力を入れるのは難しいから、とりあえずダンスを頑張ればいいのは助かる。


「それと、応援合戦では盛り上がりと一体感が審査の対象になっているんだ。特にダンス中のかけ声が重要視されているからそこを頑張るといいよ」


真木さんはさらに審査のポイントも教えてくれた。


白組にとって応援合戦は大きな意味を持つ。だからダンスだけは頑張らなければいけないんだ。