日本一のヤンキーは、私のことを守ると誓う

先輩が踊った後に、私たちが真似するんだけど……


「む、無理、出来ない……」


何か違う、と違和感を拭えないまま足を動かし続けていた。


「藤原さん、そうじゃない、もっとこう……」


三年生が私を当てて何度も指導する。
手本を見ても理解できない、思った通りに足が動かない。


私の足はどうしても手本と違う位置にある。三年生と同じように動けばいいだけなのにそれができない。動体視力が追いつかない、さっき見た手本と同じように動けない。


「バリやばすぎやろ!」


「本番間に合うんかい!」


同じクラスのヤンキーたちに笑われ、私はもういたたまれなくなった。ヤンキーは踊り慣れた様子で、下手な方の人でも私よりは早く覚えている。なんで体育にもまともに出席しないくせに踊れるんだよ。


挙げ句の果てには私にだけ二人の三年生がつく。
私はなぜ応援団なのか。考えていると意識が抜けそうになった。


クラス別練習が終わって休憩に入る。私が座って休んでいると茶橋さんと高木さんが近くに座り、そして真木さんがやってきた。